市街地戦 2015 11 15

 日本の国土防衛の欠点は、
「水際作戦」にあります。
 これは、外国の軍隊やテロリストを水際で阻止するというものですが、
そこで思考停止になっているのです。
 現実に、水際で阻止できず、
潜入されてしまったら、どうするかということを考えていないのです。
 実際に潜入されてしまったら、当然、市街地戦になります。
市街地戦になれば、戦車や装甲車を市街地に展開させるだけでなく、
陣地を築くために、民間施設の接収も必要になります。
 さらに、市街地戦になれば、
自衛隊の放った流れ弾によって市民が死傷する可能性があります。
 なぜ、潜入を阻止できないのか。
それは、日本が海運国家だからです。
都市部の内部まで、河川を運河のように利用して、海運を行っています。
こうした海運によって、重火器を運び込むことができます。

書名 ゼロの迎撃
著者 安生 正  宝島社文庫

 東京都内で、同時多発テロが発生。
警視庁は、機動隊とSAT(警察特殊部隊)を派遣した。
 これが、命取りになってしまうのです。
これでは、非対称な戦いになってしまいます。
 相手がテロリストではなく、
実は、軍の特殊部隊の兵士だった場合、
機動隊とSATは、全く歯が立たないのです。
警視庁のSATは、手榴弾や機関銃を使った市街地戦の訓練はやっていますか。
あるいは、攻撃ヘリコプターを運用できますか。
 しかし、緊急に展開できるのは、
現状では、機動隊とSATだけです。
 日本では、陸上自衛隊を市街地に展開するのは、
手続きが非常に煩雑で、「日数」もかかるでしょう。
 「超法規的な」決断をしない限り、
陸上自衛隊の都心への展開は無理でしょう。
 そうなると、機動隊とSATが、
武装したテロリストと戦うことになります。
テロリストは、機関銃、手榴弾、ロケットランチャーを使うので、
機動隊とSATは、「人海戦術」となるでしょう。

交戦規則 2013 1 20

書名 交戦規則 ROE
著者 黒崎 視音(みお)  徳間文庫

 私の記憶違いがあるかもしれませんが、
この小説の「あらすじ」を書いておきましょう。
 武装した工作員が、新潟県内に数十人も潜伏しているとの情報を得て、
新潟県警は、警察官や機動隊を配備しました。
警視庁も、銃器対策部隊を派遣しました。
 しかし、この判断が重大な過ちだったのです。
機動隊も全滅、銃器対策部隊も全滅という結果になったのです。
 工作員は、軍の特殊部隊出身だったのです。
所有している武器も、軍用のものでした。
 これは、「警察」対「特殊部隊」という「非対称な戦い」だったのです。
つまり、警察力で対応しようとしたことが誤りだったのです。
 しかし、新潟県知事は、正しい判断をしたのです。
知事は、陸上自衛隊に対して「治安出動」を要請したのです。
 それでも、「非対称な戦い」となりました。
「陸上自衛隊の正規軍」対「特殊部隊」の戦いです。
今度は、陸上自衛隊が苦戦することになりました。
 結局、陸上自衛隊の特殊部隊(空挺部隊)が出動し、
「非対称な戦い」は終わり、決着がつくことになりました。
 空からは、攻撃ヘリコプターが地上部隊を支援し、
さらに、陸上自衛隊の戦車が守りを固めました。
 最初から、陸上自衛隊の特殊部隊を派遣していれば、
警察にも陸上自衛隊にも多数の死傷者が出ることはなかったのです。
 この戦いは、陸上自衛隊の勝利という結果になりましたが、
県警の機動隊も全滅、警視庁の銃器対策部隊も全滅という結果が残りました。
 私は、こう考えます。
相手の10倍の兵力で攻める、あるいは10倍の能力で攻める。
これが、敵も味方も、結果的に死傷者を少なくする方法でしょう。
兵力を小出しに追加していく戦いは、結果的に死傷者が多くなります。




























































































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